"暮らし"から生まれる硝子〜とりもと硝子店さんの工房兼ご自宅にお邪魔しました


10月に展示をお願いしているとりもと硝子店 鳥本雄介さん、由弥さんの工房兼ご自宅にお邪魔させていただきました。

https://www.katakuchi.jp/collections/torimotoglassstudio

今年念願のお引っ越しされて、先月末にようやく築炉も終えられ、制作を再開したばかりというとりもとさん。

そんなお忙しい時ではありましたが、快くお時間を作っていただきました!

基本的には、ほぼ以前の工房と変わらないとのことでしたが、陽あたりのよい明るい工房はとても広く感じました。

伸び伸びと硝子を吹く、吹く男、鳥本雄介さん。

奥が溶けたガラスが入っている炉。
階段に登って上からガラスを巻き取ります。

こちらは作業中にガラスを温める炉(作業炉)、その奥には徐冷炉がありました。

徐冷炉とは、出来上がったガラスの作品を温めながら徐々に温度を下げていく炉で、今まで見せていただいた工房では別体でしたが、とりもとさんの場合は、作業炉の余熱を利用して徐冷をするとのことで、後ろに置かれているとのこと。

そして、なんとこの作業炉は近所のご家庭や飲食店さんなどから回収された天ぷら油をメインに使っているとのこと

「市バスの燃料に使われます」っていうのは聞いたことがありますが、ガラス工房の作品制作にお役に立てるなんて夢がありますね。
いい歳なのに揚げ物好きな私、ご近所だったらご協力したい!

この窯は、お二人が師事されていた晴耕社ガラス工房 荒川尚也さんの窯を基にされているとのこと。
ただ、だれもがこのスタイルに向いているわけではなく、ほぼ毎日吹き続けるというとりもとさんにとってはとても効率がよいのだとか。

この日は、当店でも取り扱わせていただいたことがあるシリンダーの掛け花入を制作されていました。
このように金属の型に入れて吹くことにより、四角くなるのと同時に表面に縮れができて表情になるのです。
前回も好評だった花入。10月にはご用意くださるそうです!

 

ご自宅のほうへもお邪魔しました!

ご自身の作品や他の作家さんの作品が、暮らしに溶け込んでいる心地よいキッチン。

弥さんがお庭で育てている月桂樹のウォーターを頂きました。

スッキリ、心地よく、目にも涼やか。
真似したくなりますね。

その後、由弥さんが山で摘んでこられた野生のお茶を白茶にされたという茶葉で雄介さんがご自身の茶器でお茶を淹れて下さいました。

じんわり甘く優しい味わいで癒されます。

とりもとさんの茶器は吹きガラスでは珍しい耐熱。
吹きガラスのとろりとした質感で、熱湯のお茶を楽しめるといううつわはなかなかないですよね。

関西の街中で育ったというお二人ですが、京丹波、和知の駅から車で10分ほどの山あいの集落での暮らしや子育てをなんとも自然体で楽しんでいらっしゃるご様子。

「ほぼ毎日ガラスは吹いているけれど、暮らしを楽しむ時間がなければいけないと思っているんです。もしその時間がなくなるようであれば、仕事の方をセーブしたい。」
と語る雄介さん。

暮らしを愉しむ中で、こんなうつわがあったらと思いつき、制作する。
また愉しみながら、もう少しこうしたら、サイズを変えたら・・・とブラッシュアップしていく。

由弥さんは、3人のお子さんのお母さん。
吹きガラスの制作は、ほぼ子育て中離れていたという。

「でも、疎外感はなかったんです。新作は必ず相談してくれるので、使った上でアドバイスしたり、二人で作り上げていく感覚なのです。そして、ガラス制作を離れた上で植物と出会えたのは大きいです。」

と語る由弥さん。

そう、由弥さんのPlants Drawingは、ご存知の方も多いかと思いますが、Instagramでもとても人気なのです。

植物を一部使った可愛らしい絵と共に、お子さんとの微笑ましいエピソードは心をほんわか温かくしてくれます。

https://www.instagram.com/yuyat.i.g.a216/

あちこちに、乾燥した植物やカゴ。
良い景色です・・・。

飾りにしたり、お茶にしたり、もぐさにしたり・・・。

 

実は、10月の展示では友人の植物療法士 大橋香さんにご協力いただき、なにか植物のワークショップなんかもできたらなと思っていたので、ちょっと興奮してしまいました!

展示についても直接お話しできたことで、より深いお話しができて非常によかったです。

展示は常滑の鶴見宗次さんとの二人展。
温かな飲み物を楽しむ風景を想像させるうつわ・・・と思っていましたが、もう少し広がりそうな予感です。

10月21日(土)〜 30日(月)の予定です。

 

 


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